パラノマサイトFILE 23本所七不思議 感想(ネタバレあり)

アドベンチャーゲームが大好きなので今まで結構やってきたけど、これは五本の指に入るくらい好き!!(ほかは逆転裁判シリーズ、極限脱出シリーズ、TRICK×LOGIC、ダンロン1・2かな)(バディミは大っっ好きだけどゲームとして面白かったかというと微妙なので抜いた)

 

というわけで好きだったところを書きます。

 

 

 

自分の推理を答えさせてくれるところ

自分の五本の指に入る大好きなADVゲームの傾向を見ていても気づいたけど、私は「読むだけじゃなくて答えたい」らしい。(極限脱出は脱出ゲームなのでちょっと違うけど)ストーリーが面白ければ、①こっちは何もしないようなやつでも好きなことは好きだし、②推理して正しい選択肢を選ばないとゲームオーバーになるみたいなやつでもある程度は満たされるんだけど、今回みたいな、②+「随所でがっつり理解度チェックのような形でクイズを出され、しかも4択とかじゃないのでちゃんとわかってないとなかなか先に進めない」だとさらに満たされることがわかった。某ゲームをやったときに、「穴埋め方式ででもプレーヤーに推理させてもらって、全問正解したら真相がわかるエンドに行ける、って構成だったら私はもっと嬉しかった」って感想を書いたことを思い出した。これこれ!違うゲームで満たされてしまった……。

 

操作性

人物リストも資料も見やすいし、ストーリーチャートもちょうどいい細かさで読み返しやすい。オートも2段階あってここは早送りでいい、とかもできて快適だった。↑の某ゲーム、「情報を整理したページがほしい」という感想も言ってたんですけど、これもパラノマサイトは完璧でしたね。

あとは登場人物を動かすのが楽しかった。特にこっくりさんやったのがとても楽しかった。

 

BGM

世界観にとてもあっていて気分を盛り上げてくれた。私はゲームの世界をより豊かにしてくれるBGM大好き人間なのでパラノマサイトのBGMも本当に好きだった。不気味なところは本当に不気味だし、捜査の時はよし、やるぞ!ってなるし、日常系のBGMでは昭和の空気を感じられるし。最高です。サントラ早速買いました!

 

-----------------以下ネタバレ-----------------

 

伏線回収

ADVゲームの一番楽しいところは伏線回収だと思うんですが、このゲームもとっても綺麗に回収してくれて気持ちよかったです。最初に名前を聞かれて、「名前を聞かれた!?」ってなり、興家彰吾はライター捨てるとか思いつかないのであなたがやってください、とか言われ、自分がこの世界にいることを意識させられる構成で、ずっと、「私は何なんだ……?」と思っていた。ミヲちゃんの霊に関する発言を聞いて「私は霊では……?」となり、本所事変のことを聞いて「私はそれ関係では……?」となり、いろいろあってさらにセイマンの名乗った名前が空欄なのを見て「絶対そうじゃん」となり自分がセイマンだと思い出したの気持ちよくて笑っちゃった。自分そんなすごいやつだったんだ……って。

興家彰吾のラストで案内人に「葉子さんを殺したのはお前だよ(意訳)」って言われたときは「うう……手を汚してしまった……つらい……」って思ってたんですが、私はそのために来たんだということを思い出して一気に罪悪感がなくなり、過去に戻って葉子さんをもう一回改めて殺した時には達成感でいっぱいだったの本当にすごい。なんだこれ。

あと最後に「えーっと必要なものはわかったけどどうすれば?」と考え始めて、火の玉の存在を思い出したの、ホール型謎解きの大謎を解いた感覚すぎてこれもとても気持ちよかった。

 

キャラクター

みんな個性豊かすぎない!?刑事コンビの掛け合いが芸術的すぎる。「残念な知らせだ」「…!耄碌ですね」大好き。襟尾の歯に衣を着せないけどギリギリ腹は立たないくらいのトークもボスの頭の回転の速い切り返しも大好き。

利飛太のプロタン具合と言動のおもしろさのギャップも好きだし春恵さんが普通に「プロタン」って言ってるのとかも好き。春恵さんは本当に可愛い。幸せになってほしい。

女子高生組は三者三様でみんな可愛い。美智代ちゃんは本当に…つらすぎて……天国でいっぱい幸せに過ごしてほしい……。私はおとなしいタイプの人間なので、約子みたいな元気な友達のありがたさはよくわかる。約子が真相解明に乗り出さなかったら何もわからないままだったし美智代ちゃんも救われなかったので本当に動いてくれてよかった。ミヲちゃんは最初からあまりのかっこよさに「惚れてまうやろ!!!」と思いながら見ていたら、しゃべり方で「ああ、ミヲちゃんも普通の女子高生なんだなぁ」と感じられて好きだなと思ってたら照れ顔まで見せてくれて「がわいい!!!」ってなってだめでした。好きです。

あやめちゃん……一番恐ろしいENDを見せた女……。あやめちゃんの春恵さんや津詰さんへの台詞、子供からしたらそうだよな…って圧倒的正論で苦しくなった。大人って別に完璧ではないんだよ……とも思うけどでもやっぱ「免罪符にしないで」ってのもそれはそう、って思うし……家庭環境については同情できるんだけど、だとしてもそうなるか!?っていうENDにしたりひき逃げしてたりするので……そこは……うん……。葛飾北斎への愛は素晴らしいなとは思いました。

興家彰吾、最後に「うちの会長サマが目に余るようになったので忠告をね」ってかっこつけてるけど、お前私が呪い殺すボタン押さなくてもバッタバッタと殺していったバイオレンス男だったこと忘れてないからな!笑

 

全体の感想

そしてラスト、こういう全てをなかったことにするタイプのシナリオ、間の展開にも思い入れがあるからちょっと悲しいんだけど、本来呪詛なんて関係なしに事件は解決すべきで、それをみんなやっているところを見られたので救われました。美智代ちゃんも、復讐できないのはかわいそうって一瞬思ったけど、でも人を殺してちゃんと天国で幸せに過ごせるのかって思ったら不安になったので、やっぱりこっちのほうがいいと思いました。約子には届いたみたいだし。これで私も安心して成仏できます…笑

 

こんな素敵なシナリオを書いた石山貴也さんってほかにどんな作品を生み出したんだろう?って気になって調べたら、癸生川凌介シリーズの方じゃないですか!!ガラケー時代に楽しませてもらいました!!!多分全部やった……?でも10年以上前なので、好きだった、以外の記憶が全くないので今度steam版かswitch版か買ってやり直しますね!!

 

というわけでまた一つ面白いADVゲームに出会えてとても楽しかった……ありがとうございました……!!!