レインコード感想(ネタバレあり)

これだよこれ、一章ずつ完結してるけど全体でも大きな謎があり最終章でそれが明かされ、少しずつプレイヤーの頭を整理して自分で答えに気づくように誘導してくれる理想の推理ゲーム!こういうのみんな大好きなはずだけど何故かあまり出ないので(?)久々の大作推理ゲーム待ってました!ありがとう!

 

※以下章ごとに感想書いてますが、全部やったうえで振り返って、という視点なのでまだ途中の人は絶対に読まないでください。※

 

特に章関係ない感想

・脚立を調べられたので、これはまさか…!と思いながら調べたら、案の定、これは脚立?それともハシゴ?とか言い出して、死神ちゃんに「職業が探偵じゃなくなっちゃうよ」と言われてて大草原だった。弁護士になってまう。

・ユーマが幽体離脱したときに死神ちゃんが「これが本当のソウルメイトだね!」って言ったのめっちゃ好き。

 

0章

チュートリアルにしては大がかりすぎるトリックー!最高かよ!と、初プレイ時はただ思っていました。

最終章を終えて、まさか、焼死であること、ユーマが血を流してしまったことが全体の謎に関わってくるなんて…!と戦慄している。神かよ。だってちゃんとユーマが血を流したのだってトリックの解明に使ってて無駄じゃなかったから、まさかそこにさらに意味があるなんて思わないじゃないですか…!最終章で、ホムンクルスは血に特徴が…って言われて初めて「そういえば…ユーマの血を見て、これは赤いんだ?って思った…ような…!?」ってなった時スルーしてしまった後悔と、スルーさせる展開の自然さにゾクゾクした。こういう体験をしたくてアドベンチャーゲームのオタクをやってる。

 

1章

ハララさんが有能な上かっこよすぎて2章以降の安否をめっちゃくちゃ心配していた。杞憂でよかった……。結局ハララさんは男なのか女なのかわからないままだったけど、胸ポケットまさぐらせてたので(なんで?)男なの?性別不明キャラで通すのか??薄い本即売会でハララ(男)とか書かれるのか…???実質チュートリアルみたいな章だったので感想がだいたいハララさんのことで終わった。

 

2章
章を追うごとに簡単になってない…?と思った。謎迷宮に入る前にだいたいわかってたし、犯人は完全にわかってたし、絶対後悔して曇るやつだよ!謎迷宮行くのやめよ!ユーマ!と思ってた。やっぱり曇ってた。この時のユーマ、真実が握りつぶされてしまうからって殺人に落ち着いていいの?みたいなこと言ってなかったっけ。言ってたとしたらブーメランだな……言ってなかったら記憶違いごめん

3章
これ本当に隠しカメラ?爆弾とかじゃない?とコロナで高熱にうなされながら考えていた。案の定だった。
「わざとじゃなく人を殺してしまう、それが完全なる不運とかじゃなく考えが足りなかったせい、という場合、許すべきなのかどうか……がこのゲームの裏テーマなのか?」とか考えていた。最後までやった感想として特にそういうことはなかったと思うんだけど、やっぱりちょっともやもやは残るし残るべきだと思う。爆弾の方は結局人死ななかったからよかったけど……死んでたかもしれないし謎迷宮では何人も殺してるし……。まあでも私はずっとユーマと死神ちゃんとカナイ区を旅してきて、二人を好きになってしまったのでこのことからは目をそらしつつ二人を愛す、が結論になると思う。

4章
結局何がすべてが0になるなのかわからなかったんだけど、何が?所長の脈とか呼吸とか??あとタイトルがすべてがFになるに似てるの、殺害現場が似てるからタイトルをそこから取ったのかな……?関係ない……?
毒が30分後に牙を剥くって説明聞いたときから、犯人は30分後に死ぬこともいとわずに突っ込んだんやろなぁ…とは思っていた……あとはまあ、死にかけの所長が毒のせいでもあるんやろなぁとかはわかったけど細かいところはさっぱりだったので謎迷宮助かった。

 

5章

さすがに最後だし謎迷宮に頼らずしっかり考えてみたくて、いろいろ考えたらほぼ大体予想できたうえで謎迷宮に入れて良かった。血に特徴が…とか謎のにくまん工場あたりで、ああ、カナイ区の皆さんみんなホムンクルスだったんだ…!って気づいたのもゾクッとしたし、どっからどう見てもマコトとユーマの見た目が同じ(身長体重同じ)、唯一の成功例のホムンクルスはナンバーワンから生まれた、ユーマの血は赤かった、あたりから、そういえばナンバーワン登場時に「この説明で本当にこの人がナンバーワンってことあるかな?」って思ったの思い出してユーマがナンバーワンでそこから生まれたのがマコト、って気づけたのも楽しかった。勘がいい人はもっと前から気づいてたろうけど……。(しかしユーマ、記憶失っただけでなんであんなに頭が回らなくなったの?はまだわからない。記憶と頭の良さが連動してるのか?そうなんだろうけど…)(あと全部一人でやってきた人の探偵特殊能力が能力共有なのもまだよくわかってない)

そして本当に、本当に、真実を暴いて、それが人の幸せにつながるのか…?ってユーマと同じ顔になったりしたけど、まあいずれバレるのは必然だから(さすがに不老不死なことに何十年も誰も疑問を持たないわけないし)全てを話してそのうえでみんなを殺させないことができたの本当に良かったよね。それもラーメンで生きられるようになったのが大きいと思うのでユーマココヘッド(本物)が裏のMVPだろ。

 

というわけで、少し寂しい(ユーマが一人で旅に出てしまって、死神ちゃんがいなくなってしまって)けどハッピーエンドで、読後感はじんわりしてとても好きな感じだったので本当によかったです。ちょっとね……トラウマがあったので……レインコードの読後感はこんな感じで本当に良かった……。

 

こういう感じの推理ゲーム、私としては春ゆきてレトロチカぶりなんだけど、レトロチカはレトロチカで好きだったんだけど、やっぱレインコードの制作陣はエンタメにするの本当に上手いなぁと思いました。発売前にエンターテイメントッッッ!!って感じで宣伝してるの見たときは、(いや、別に推理ゲームにエンターテイメント要素はそこまで求めてないんですけど…)って思ってたんですけど、謎迷宮やってみたらすごく楽しかったので(不必要なことをやらされてる感がなかったからかな?全部が全部ちゃんと推理の道筋として必要なものだったと思う)、あ、やっぱ楽しかったです、必要でした、すみません!!って心のなかで土下座しました。二次元キャラだからこそできる設定とかぶっ飛んだ性格とかもみんな良かった。死神ちゃん本当にかわいかった。0章のときはちょっとイラッとしたの今となっては信じられない。めちゃくちゃかわいくない?死神ちゃん。

ヤコウ探偵事務所のみんな全員と協力して事件解くとかできなかったのだけはちょっと心残り。ユーマ抜きでもスピンオフとかで見たい。超探偵のみんなは一章一人のペースだったので、みんなでわいわいをもっと見たかったな……共同作業は……4章のあれだけだったので……もっと楽しい共同作業をしたかったね……。

あ、探偵とのかたらいまだ読んでないです。あとシーズンパスのも。あとコミカライズとかノベライズ?では後日談のもあるの?か?とか、クリア後もまだ読むものがあるの助かります!!再プレイも楽しみたい。

というわけで推理ゲーム好き人間、久々にこういう推理ゲームできてとっっても嬉しかった!続編待ってます!ありがとうございました!!

パラノマサイトFILE 23本所七不思議 感想(ネタバレあり)

アドベンチャーゲームが大好きなので今まで結構やってきたけど、これは五本の指に入るくらい好き!!(ほかは逆転裁判シリーズ、極限脱出シリーズ、TRICK×LOGIC、ダンロン1・2かな)(バディミは大っっ好きだけどゲームとして面白かったかというと微妙なので抜いた)

 

というわけで好きだったところを書きます。

 

 

 

自分の推理を答えさせてくれるところ

自分の五本の指に入る大好きなADVゲームの傾向を見ていても気づいたけど、私は「読むだけじゃなくて答えたい」らしい。(極限脱出は脱出ゲームなのでちょっと違うけど)ストーリーが面白ければ、①こっちは何もしないようなやつでも好きなことは好きだし、②推理して正しい選択肢を選ばないとゲームオーバーになるみたいなやつでもある程度は満たされるんだけど、今回みたいな、②+「随所でがっつり理解度チェックのような形でクイズを出され、しかも4択とかじゃないのでちゃんとわかってないとなかなか先に進めない」だとさらに満たされることがわかった。某ゲームをやったときに、「穴埋め方式ででもプレーヤーに推理させてもらって、全問正解したら真相がわかるエンドに行ける、って構成だったら私はもっと嬉しかった」って感想を書いたことを思い出した。これこれ!違うゲームで満たされてしまった……。

 

操作性

人物リストも資料も見やすいし、ストーリーチャートもちょうどいい細かさで読み返しやすい。オートも2段階あってここは早送りでいい、とかもできて快適だった。↑の某ゲーム、「情報を整理したページがほしい」という感想も言ってたんですけど、これもパラノマサイトは完璧でしたね。

あとは登場人物を動かすのが楽しかった。特にこっくりさんやったのがとても楽しかった。

 

BGM

世界観にとてもあっていて気分を盛り上げてくれた。私はゲームの世界をより豊かにしてくれるBGM大好き人間なのでパラノマサイトのBGMも本当に好きだった。不気味なところは本当に不気味だし、捜査の時はよし、やるぞ!ってなるし、日常系のBGMでは昭和の空気を感じられるし。最高です。サントラ早速買いました!

 

-----------------以下ネタバレ-----------------

 

伏線回収

ADVゲームの一番楽しいところは伏線回収だと思うんですが、このゲームもとっても綺麗に回収してくれて気持ちよかったです。最初に名前を聞かれて、「名前を聞かれた!?」ってなり、興家彰吾はライター捨てるとか思いつかないのであなたがやってください、とか言われ、自分がこの世界にいることを意識させられる構成で、ずっと、「私は何なんだ……?」と思っていた。ミヲちゃんの霊に関する発言を聞いて「私は霊では……?」となり、本所事変のことを聞いて「私はそれ関係では……?」となり、いろいろあってさらにセイマンの名乗った名前が空欄なのを見て「絶対そうじゃん」となり自分がセイマンだと思い出したの気持ちよくて笑っちゃった。自分そんなすごいやつだったんだ……って。

興家彰吾のラストで案内人に「葉子さんを殺したのはお前だよ(意訳)」って言われたときは「うう……手を汚してしまった……つらい……」って思ってたんですが、私はそのために来たんだということを思い出して一気に罪悪感がなくなり、過去に戻って葉子さんをもう一回改めて殺した時には達成感でいっぱいだったの本当にすごい。なんだこれ。

あと最後に「えーっと必要なものはわかったけどどうすれば?」と考え始めて、火の玉の存在を思い出したの、ホール型謎解きの大謎を解いた感覚すぎてこれもとても気持ちよかった。

 

キャラクター

みんな個性豊かすぎない!?刑事コンビの掛け合いが芸術的すぎる。「残念な知らせだ」「…!耄碌ですね」大好き。襟尾の歯に衣を着せないけどギリギリ腹は立たないくらいのトークもボスの頭の回転の速い切り返しも大好き。

利飛太のプロタン具合と言動のおもしろさのギャップも好きだし春恵さんが普通に「プロタン」って言ってるのとかも好き。春恵さんは本当に可愛い。幸せになってほしい。

女子高生組は三者三様でみんな可愛い。美智代ちゃんは本当に…つらすぎて……天国でいっぱい幸せに過ごしてほしい……。私はおとなしいタイプの人間なので、約子みたいな元気な友達のありがたさはよくわかる。約子が真相解明に乗り出さなかったら何もわからないままだったし美智代ちゃんも救われなかったので本当に動いてくれてよかった。ミヲちゃんは最初からあまりのかっこよさに「惚れてまうやろ!!!」と思いながら見ていたら、しゃべり方で「ああ、ミヲちゃんも普通の女子高生なんだなぁ」と感じられて好きだなと思ってたら照れ顔まで見せてくれて「がわいい!!!」ってなってだめでした。好きです。

あやめちゃん……一番恐ろしいENDを見せた女……。あやめちゃんの春恵さんや津詰さんへの台詞、子供からしたらそうだよな…って圧倒的正論で苦しくなった。大人って別に完璧ではないんだよ……とも思うけどでもやっぱ「免罪符にしないで」ってのもそれはそう、って思うし……家庭環境については同情できるんだけど、だとしてもそうなるか!?っていうENDにしたりひき逃げしてたりするので……そこは……うん……。葛飾北斎への愛は素晴らしいなとは思いました。

興家彰吾、最後に「うちの会長サマが目に余るようになったので忠告をね」ってかっこつけてるけど、お前私が呪い殺すボタン押さなくてもバッタバッタと殺していったバイオレンス男だったこと忘れてないからな!笑

 

全体の感想

そしてラスト、こういう全てをなかったことにするタイプのシナリオ、間の展開にも思い入れがあるからちょっと悲しいんだけど、本来呪詛なんて関係なしに事件は解決すべきで、それをみんなやっているところを見られたので救われました。美智代ちゃんも、復讐できないのはかわいそうって一瞬思ったけど、でも人を殺してちゃんと天国で幸せに過ごせるのかって思ったら不安になったので、やっぱりこっちのほうがいいと思いました。約子には届いたみたいだし。これで私も安心して成仏できます…笑

 

こんな素敵なシナリオを書いた石山貴也さんってほかにどんな作品を生み出したんだろう?って気になって調べたら、癸生川凌介シリーズの方じゃないですか!!ガラケー時代に楽しませてもらいました!!!多分全部やった……?でも10年以上前なので、好きだった、以外の記憶が全くないので今度steam版かswitch版か買ってやり直しますね!!

 

というわけでまた一つ面白いADVゲームに出会えてとても楽しかった……ありがとうございました……!!!